「全部借主負担」ではありません
賃貸の退去時、敷金がどれだけ戻るかは誰もが気になるところです。国民生活センターへの原状回復トラブルの相談は年間1万4,000件を超えて高止まりしており、今年2月にも注意喚起が出ています。
大原則はシンプルです。国土交通省のガイドラインと2020年に改正された民法により、普通に住んでいて生じる損耗(経年変化・通常損耗)は貸主負担、借主が負担するのは故意・不注意による傷や汚れだけと整理されています。
- 貸主負担の例:家具の設置跡、日焼けによるクロスの変色、画鋲の穴(通常の範囲)
- 借主負担の例:飲み物をこぼしたシミの放置、結露を放置して広げたカビ、ペットによる傷
借主負担でも「経過年数」で減額されます
あまり知られていませんが、借主に落ち度があった場合でも、負担額は設備の年数に応じて減ります。たとえば壁のクロスは6年で残存価値がほぼゼロになる計算です。6年住んだ部屋のクロスを汚してしまっても、張り替え費用の全額を請求されるのは原則としておかしい、ということになります。
敷金は「明け渡し後に精算して返す」が法律のルール
2020年の民法改正で、敷金は「未払い賃料などを差し引いた残額を返還する」と明文化されました。退去時に高額な請求を受けたら、内訳の明細と、ガイドラインに沿った根拠を確認しましょう。
いちばん効くのは「入居時の写真」です
トラブルの多くは「その傷が入居前からあったかどうか」の水掛け論です。国交省も、入居時に部位ごとの状態を双方で確認し、写真を撮って記録に残すことを推奨しています。入居した直後に、傷・汚れ・設備の不具合を日付つきでスマホに残しておく。退去立会いでは、その記録と突き合わせる。これだけで話が大きく変わります。
STORIAからのアドバイス
STORIAの仲介では、入居時の状態確認と記録の残し方まで含めてご案内しています。これから退去を控えて精算内容にモヤモヤしている方の「これって払うべき?」というご相談も歓迎です。ルールを知っているだけで、余計な出費と嫌な思いを減らせます。




